「神さまのご計画」

A. 加山雄三の苦難

 順風満帆(まんぱん)と思われているのが加山雄三氏の人生です。しかし、デビューして10年目の30代に、経営する会社が倒産し、23億円の負債を抱え、債権者に土下座して回る日々がありました。そんな中、何か自分よりも大きな存在に対し、「祈る」ことを覚え(信仰は何であるか分からないが)、希望を持ち続ければ状況が変わっていることを体験してきたといいます(NHKラジオ深夜便より)。  神さまの御前に謙遜になり、真に神さまと人とを愛するために、聖霊の力が与えられる、と明確に言えるクリスチャンたちはもっと幸せです。パウロが聖霊の働きで計画を変更した、というのが今回の記事です。

B.聖書より

さて、彼らはアジア州で御言葉を語ることを聖霊から禁じられたので、フリギア・ガラテヤ地方を通って行った。使徒言行録16章6節
 パウロは、小アジア地方(現在のトルコ領―アジア大陸の最西部)へ伝道しようと計画しました。ところがどういうわけか、それが計画通りにいかず、フリギア地方を通って行きました。聖書では、聖霊がアジアで福音を語ることを禁じた、と語っています。
 私たちが計画を立てて実行しようと思っても、様々なことによって妨げられるときがあります。そのようなときは、神さまが禁止されたのであると受け取ることが大切です。「人の心には多くの計画がある、しかしただ主の、み旨だけが堅く立つ」(箴言19:21)とあるからです。

C. 神の摂理   ジョージ・ミュラーの再婚

 神の摂理(神が世を導き治めること)とは、人の自由意思による決定事項が、何らかの形でかかわる余地を残しておきながらも、神さまがすべてを上回って御心を成就される、と信じることです。
 ドイツ人のジョージ・ミュラーは、ロンドンで牧師となり、結婚したミュラーは、同僚と共に聖書の知識を広めるための活動を始めます。それには4つの目的がありました。1)聖書を配り、2)世界中の宣教活動を支援し、3)大人と子どものための日曜学校と昼間学校を開き、4)貧しい家の子たちも出席できるようにする。この働きは今日も続けられています。
 ミュラー夫妻は、浮浪児を助けることに関心を持ち、寄付を募らず、信仰と祈りだけに頼ることで、神さまが生きて働いておられることを、人々に証ししたいと願いました。すると、神さまはいつも必要な食物を備えてくださり、借家で30人の孤児を収容して始まった救済事業は、25年後には、2000人以上の孤児が収容できる施設へと発展しました。
この事業が始まって以来、34年以上にもわたって敬虔な助け手として働き続けたメアリー夫人が天に召されると、翌年ミュラーは16歳年下のスザンナと再婚しました。ミュラーには、世界中のクリスチャンたちに伝えるべきメッセージがありました。それは、「聖書は信頼するに値し、クリスチャンたちは聖書の教えを実践すべきだ」というものでした。孤児院を義理の息子に任せたミュラーは、再婚した二人目の奥さんと共に、87歳になるまで42カ国を回りました。ミュラーは二度、日本の東京も訪れています。新しい夫人は、旅行を共にし、夫を助けました。「あの73歳でなくなったさきの妻は、このような激しい旅行にはとうてい耐えられなかったであろう。だからこそ、主は彼女を取り上げて下さり、私が自由に旅行することができるようにして下さったのだ」とミュラーは、神の摂理を理解しました。

D.結び

 神さまと人のために、善い業を行おうと計画を立てても、その実現が様々なことによって妨げられるときがあります。そのようなときは、神さまが禁止されたのであると受け取ることが大切です。神さまは必ずよいご計画をお持ちであり、私たちを最善の道へと導いてくださるのです。
 御翼2010年7月号その3より


  
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